就活に失敗した俺がはてなのエンジニアインターンに参加してきた話

はじめましてid:OKU_s62と言います。現在M2です。就活失敗しました。
そんな自分が、先日(といってもだいぶ経ってしまいましたが…)はてなインターンに参加してきました。


一応、はてなインターンがいかに素晴らしいかを多くの人に知ってもらうのが趣旨ですので、あまりここで自分語りをしてもしょうが無いのですが、似たような境遇におられる方の道標になればと思いブログにまとめることにしました。


目次

最初はそんなに長々と書くつもりはなかったのですが、気づけばやたら長文になってしまっていたので、目次を。

  1. 就活に失敗
  2. はてなのアルバイトに応募→インターンで来てね
  3. インターンに応募
  4. 事前課題
  5. インターン初日
  6. 前半の講義
  7. サービス企画〜成果発表
  8. 後半戦スタート
  9. 社員さんとの飲み会
    1. 近藤社長のお話 in 飲み会
  10. リリース
  11. 最終プレゼン
  12. インターンを終えて―はてなインターン精神と時の部屋
  13. 来年以降の参加を考えているみなさんへ

就活に失敗

就活の詳しい経緯は書きませんが、どこからも内定をいただけませんでした。失敗の原因は将来何がしたいのかはっきりしていなかったのが大きかったと思います。業界もWeb、SI、ゲームなどあちこち受けまくって一貫性もまるでなし。まぁこれじゃ駄目ですよね…。

はてなのアルバイトに応募→インターンで来てね

そこで、「このままではまずい、何か経験を積まなければ食いっぱぐれてしまう」と思い、はてなのアルバイトに応募しました。就活で何度も面接を受けてきたにも関わらずアルバイトの面接でもガチガチに緊張。コミュ障過ぎます。面接では就活に失敗したこととかも包み隠さず話しましたが、特に責め立てられることもありませんでした。
ひと通り質疑応答が終わった後、「プログラムはよく書けそうだけど、Perlの経験が無いというのがちょっと心配」ということで、インターンの方で応募してくださいと言われました。お互い切磋琢磨する仲間もいますし、研修もみっちり行われるのでそちらのほうが良いとのことでした。

インターンに応募

はてなのアルバイトを何とかして決めたいと考えていた私は結構落ち込みましたが、さすがにこれでインターンに応募して落とされるようなことはないだろうと思いつつも、半信半疑な気持ちでインターンに応募しました。アルバイトの申し込みの時にはなかった小論文の課題がありましたが、何とかこなして応募。およそ10日後にインターン参加のお知らせが無事届きました。
アルバイトの面接を受けたときは「早く決めたかったのにインターンに回されることになるなんて…」と思いましたが、今となってみれば本当に幸運だったなと思います。

かなり特殊な事例だとは思いますが、以上のような経緯ではてなインターンに参加することになりました。こんな幸運なこともあるので、就活がうまくいっていない人やインターン行けなかった人も諦めずに色々門を叩いてみるといいと思います。もし、はてなインターンに参加したいけど来年の夏まで待てない!という関西在住の人がもしいらっしゃるのでしたらアルバイトに応募してみるのもよいかと思います。

事前課題

はてなインターンへの参加が決まり、Perlの事前課題が与えられました。課題内容は明かしませんが、Perlオブジェクト指向プログラミングが出来て、基本的なデータ構造とアルゴリズムが分かってれば解ける内容です。あと、解いた課題はgithubに上げることで提出となりますので、gitの基本的な機能を知っておく必要があります。私はPerlでのオブジェクト指向プログラミングの理解がまだ不十分で面接の時に心配されたとおり、結構苦労しました。

インターン初日

初日はまずインターンのカリキュラムや注意事項、メンターと呼ばれるインターン生のお世話をしてくださる社員さんの紹介などから始まりました。その後、id:jkondoこと近藤社長より直々にインターンシップの意義やはてなの沿革についてお話がありました。
午後からはCTOのid:stanakaさんによるはてなの開発体制についての説明があった後、事前課題のフォローアップがありました。

環境構築

上記の時間以外は、ひたすら環境構築を行なっていました。CPAN祭り懐かしいです。インターン生は社内で作業するために各自ノートPCを持参することになっていましたが、ほとんどの人がMacを使っていました。社員の方もかなりの方がMacを使っておられました。私は用意していたPCのスペックが足らないということで、会社からMacBookProをお借りすることに。なんとありがたい。 ちなみに、そのスペックが足りないと言われたノートPCは大学の研究科から支給されたものです。
環境構築も終わり、とっとと帰宅。この日は7:30に帰りましたが、こんなに早く帰れたのはこの日だけでした。

前半の講義

2日目より本格的な講義が始まり、Webサービスを作るための基本的な知識がここで叩きこまれます。事前課題も含めて毎回課題には点数が付けられ、10点中6点未満が赤点といった感じです。前半の出来が良くないと後半に進めないわけですが、赤点が1つでもあったら即アウトということではありません。あまり多すぎるとちょっと良くないよねーということですが、その辺の基準は結構曖昧です。今回は全員赤点ゼロ(だったはず)でしたが、発表されるまで緊張していたのを覚えています。

講義の内容が理解出来なかったからといって、心配することはありません。分からない所があれば、メンターの方に気にせず質問しましょう。親身になって答えて下さいます。また、講義中も遠慮なく質問しましょう。それから、赤点をとってしまっても再提出ができますし、社員の方からどこが悪かったかコメントももらえるのでそこを直してクリアしていくことができます。ただ、赤点が溜まっていくと段々挽回するのがきつくなるのでそこは注意が必要ですね。

サービス企画〜成果発表

サービス企画

5日目の講義ではサービスの企画について学びました。去年までは前半は2週間くらいあり、今年以上に講義と課題がみっちりあったようです。今年は課題の出る講義のあった日は1週間程度でした。変わって登場したのがこのサービス企画です。

まずはあったら良いと思うログサービスについてみんなでアイデアを出し合います。
次に、自分で実際に実装しようと思うアイデアを1つ選び、具体的なページ遷移などをまとめていきます。その後、お互いにコメントを出しあいながら、サービスを洗練させて行きました。その際にはid:jkondoさんも参加され、非常に盛り上がりました。



左が皆で出しあったアイデアで、右が私の考えたブログサービスのページ遷移です。


そして、前半の残り1日半の間に自分で考えたアイデアを実装します。前半最終日には完成したサービスについて発表しました。私の考えたサービスは他の優秀な学生さんが考えたものと比べるとあまりパッとしない感じでしたが、時間がない中それなりに動くものが出来たので良かったかなと思っています。

優秀な学生さんたちの考えたサービス:
http://d.hatena.ne.jp/gigi-net/20110912/1315777456
http://d.hatena.ne.jp/uasi/20110912/1315826582
はてなインターン2011リーダーがレポートを書きました - ポクポク

後半戦スタート

後半は各チームに別れてサービスの開発を行います。開発したサービスは実際にリリースされるので気が抜けません。
私は、はてなブックマークチームに配属されました。配属後はチームのメンバーが集まって開発内容を決定しました。今年からはインターン生の意向もそれなりに反映されることになったようです。私はid:shisfulさんと組んで、はてブのエントリー画像の改善に取り組みました。
お気づきの方もおられると思いますが、はてなブックマークのエントリー画像の縦横の比率が9/8(木)より全部同じになっています(ただ、ユーザーさんが画像を指定できるので、そのぶんに関しては違ったものになっているかと思います)。そして、画像は全体が表示されるのではなく、一部分が切り取られて表示されるようになりました。これが一応私たちの成果物になります。

後半初日はまた環境構築から始まりました。その後、実際にはてなのサービスで稼動してるプログラムnに触るわけですが、最初はヘマやったらどうしようとかあれこれ考えてぎこちなかったのですが、日を追うごとに徐々に慣れて行きました。

社員さんとの飲み会

9/2(金)には社員さんとの懇親会が行われました。場所は、豆ちゃというお店。

かなり奥まった場所にあり、すごく雰囲気がありました。自分は京都に住んでいながら全くこういうところに来たことがなく、珍しがって写真を必死に撮っていました。最後に店の中に入り、後からちんたら付いて行ったら、もう皆さん席に。
すると幸運なことに近藤社長のとなりが開いていました。最後に部屋に入ったため、誰がどの順番で席についてとかは全くわからなかったのですが、真っ先に社長の隣を取るだろうと思いつつ、まさか自分が座ることになるとは思わなかったので、少し緊張していました。

近藤社長のお話 in 飲み会

最初が何の話題かははっきりと覚えていませんでしが、近藤社長が同じテーブルを囲んだインターン生に「前半どうだった?」とか簡単な話をふっていたような記憶があります。あとは、前半のプレゼンを見た感想とかを言われていました(かなり熱かったです)。

話題は色々と変わっていき、プレゼンについての話に。アメリカ人のプレゼンに対する意気込みだとか、日本人のプレゼンの拙さといった話になりました。アメリカ人がプレゼンが上手いのはたくさん練習しているからだそうです。言われれば当たり前のように感じますが、自分がプレゼンをするときにどの程度時間を書けて練習しているかを思い返してみるとまずかったなと感じました。スライドを作って満足してしまっているという方はご一考を。
それから、「(日本人は)聞く人の態度も良くない。メモだけとって帰るぐらいなら、あとからyoutubeでも見ればいい。人の話を聞くっていうのはそういうことじゃない。」と言われてたのがとても印象に残っています。
ちなみに、5月末に行われた超交流会でid:jkondoさんが講演しているときに、私は必死にツイート&togetterにまとめてました。ごめんなさい。なので、ウォークマンの話を聞いてたはずなんですが、必死にまとめてたせいであまり記憶になく、初日のプレゼンの時には思い出せませんでした。重ねてお詫び致します。

あとは創業直後のことをお話頂きました。アンケートフォームを受託するところから始まり、「とにかく自分の作るものには手を抜かずに信頼を重ねていく。そうすれば自然と仕事を振ってもらえるようになった」と仰ってました。それから、「とにかく常にきつい。困難がときどきやってくるのではなく、常に辛い。そういう時に、やるべきことから逃げずにやり遂げれるかどうかが、ベンチャーが軌道に乗るかどうかの分かれ道だ」と言われていました。

はてなインターンについて、レベルが上がるだのはてなの環境が素晴らしいだのと言われますが、もちろんそれも大きいですし全く否定しようのないことですが、私はお酒の席でこうしてベンチャー企業を立ち上げて成功した方のお話を直に聞く機会があるだけでも、はてなインターンに参加する価値は大いにあると思います。極端な話、レベルが上がる点については程度の差こそあれ、それなりに名の知れた企業であればどこでも上がると思います。プロに指導してもらうわけですから。しかし、近藤社長はてなにしかいないわけですから、他の企業に行くのとは全然得られるものが違うと思います。

リリース

早いもので飲み会が終わった時点で、残り5日。私はエントリー記事の中から画像を選択する部分を担当したのですが、この頃には精度を上げるといった作業をひたすら行なっていました。id:shisfulさんのほうは画像のトリミングをしていて、だいぶ苦労していたみたいですが、それも無事完成しました。そしてついに9/8(木)より、私とid:shisfulさんの作ったプログラムが動き始めました。まだまだすべてのエントリーページにたいして完璧に画像を取得できているというわけではありませんでしたが、結構いい感じに画像の取得とトリミングが出来ているページもたくさんあり、非常に感動しました。

最終プレゼン

無事リリースも終わり、後は最終のプレゼン発表を残すのみ。しかし、気は抜けません。優勝チームには金一封とはてな有料オプションセット1年分が贈られるからです。しかも近藤社長のプレゼンの話を聞いたからには尚更手は抜けません。私はスライドを作るセンスが皆無だったのですが、id:shisfulさんのセンスあるプレゼンのお陰でなんと2位を獲得しました!!が、2位以下には残念ながら何の賞品ありません。1位じゃないと駄目なんです。まさか2位になれるとは思っていませんでしたが、やはりあと一歩のところで逃してしまったのはちょっと悔しかったです。まぁ人のお陰で2位になれたのであまり偉そうなことは言えませんがw

インターンを終えて―はてなインターン精神と時の部屋

以前のインターンのレポートでは精神と時の部屋などと言われることもありましたが、そんな事はなかったように思います。インターン期間中に外界から完全に遮断されるということは有りませんでした。帰りが遅くなることもありましたが、世界柔道を楽しむぐらいの余裕はありました(重量級は楽しくありませんでしが)。意識さえすれば外とのつながりは十分に保てます。
それから帰りが遅くなったのも、「ホテルに帰ってもやることがない」という遠方組にいい意味で引きずられるような形でそうなったという気がしています。彼らの頑張りは凄まじく、明け方まで頑張っていた人もいたようです。まぁ若さとホテルが会社のすぐ近くにあるからなせる技でしょうか。私は朝起きてから家を出るまでにそれなりの時間が欲しい人間ですし、睡眠時間もそれなりに欲しいので、週末や課題に追われている前半の数日間以外はそれなりの時間に帰れていました。また、インターン生が無理やり残らされていたと言うよりも、メンター役の社員の方々が我々インターン生い付き合わされて残るはめになっていたパターンがほとんどでした。

謝辞

id:yanbeさんには前半に私の質問攻勢にも嫌な顔ひとつせずに対応して頂きました。id:hakobe932さんには後半のサービス開発で適切に指導していただいたお陰で、やりたい事からしてしまいがちな私でも無事にリリースに間に合わせることができました。お二方には深く御礼申し上げます。ありがとうございました。

そして、id:halfrackさん。最終日に大変良い買い物が出来ました。ありがとうございました。

来年以降の参加を考えているみなさんへ

最後に、来年以降はてなインターンへの参加を考えているみなさんに、これだけはしておいたほうがいい、これだけは覚えておいたほうがいい、ということを書いて終わりにしようと思います。

PerlJavaScriptは今のうちから勉強しておきましょう

これを知っておくのと知ってないのでは、入ってからの苦労の度合いが全然違います。というか入る前の事前課題から苦労しますので、両方共オブジェクト指向で書けるレベルにしておきましょう。だいぶ楽できます。あと、jQueryも覚えておくとさらに前半の課題がスムーズに終わると思います。もちろん、Perlオブジェクト指向が書けないからインターンに受からないとかいうことは無いのでご安心を。

写真を撮られまくりますので、カメラを向けられても自然な表情を維持できるようにしておきましょう。

はてなでは毎年インターンページが作成され、そこではインターン中の写真が載ります。そのためインターン中は要所要所で写真を大量に撮られます(発表している時とか、秘密保持契約書にサインしている時とか)。一応、自分の写真がネットに上がるのが嫌だという人は断ることも出来ますが、いたはずなのに自分だけどこにも写ってないというのは寂しいですよね。写真を撮られるのが苦手だという人は今のうちから慣れておきましょう。

面白い自己紹介を考えておきましょう

はてなインターンに来る人は何かとキャラの立った人が多かったです。たまたま今年そうだっただけなのかもしれませんが。そしてこれは毎年のことだと思いますが、様々な面でレベルの高い学生さんばかりが集まってきます。初日のランチタイムを利用して自己紹介が行われるのですが、そういった人達の中に埋もれてしまわないためにも、面白い自己紹介を考えて社員さんの心を一気に掴むようにしましょう。まぁ自己紹介に限らずプレゼン力を上げるのは大事ですね。

素敵なはてなidを考えておきましょう

はてな社内ではidで呼び合います。id:OKU_s62のようなしょーもないidだと呼ぶ側も面倒です(私はOKUくん、OKUさん、オックンなどと呼ばれました)。これを機に素敵なidを考えておきましょう。すでに妙ちくりんなidをとってしまったという人は適当に副垢でも取ればいいと思います。

わからないことはとにかく質問しまくりましょう

PerlJavaScriptの理解が不十分だと、前半はとにかく大変な思いをするでしょう。ただ、メンターさんが手取り足取り教えてくださるので、とにかくわからないことがあれば、どんな些細なことでも質問しましょう。私はMacを殆ど触ったことがなかったので、Macの簡単な操作とかについても質問しました。初日に注意があるかと思いますが、小さなことで時間をとられるとホントもったいないので、分からないことがあれば勝手に自分であれこれせずに質問しましょう。出来るインターン生を捕まえて質問するのも可です。お互いのためになりますね。私は恥も外聞もなく4つも年下のid:gigi-netさんに質問しまくったりしていました。こんなことが成り立ってしまうのも優秀な方が集まってくるはてなインターンならではなのかなと思います。